厭離庵昼であることを忘れてしまうような 大袈裟な言い方が許されるのなら 自分がこの世のクリ―チャーであることが とんでもなく不可解に思えるようなJazz Innに クリ―チャ―そのものの女とやって来た この空間で 犬のように皮の首輪をしている彼女は まるで世界中のクリ―チャ―の権化みたいで それでいて 若し首輪がなかったら クリ―チャ―から脱する機を窺っているようで そんな彼女を そんなクリ―チャ―を 自分は少し軽く考えた クリ―チャ―を否定することは 神を否定することに繋がるとすれば 彼女を軽く考えることは 一体どんなことに結びつくのだろう 今の自分のシビルミニマムは 闇と音なのだ 軽くて透き通った感じが嫌いで 重くてよどんだものが恋しい 昼であることを忘れてしまうような Jazz Innで 軽くて透き通った感じの彼女に 自分は 沈黙した |